工場のほこりに石綿 長野のJR東車両センター
JR東日本長野支社(長野市)の長野総合車両センター(同市西和田)で10月から11月にかけ、工場2棟でアスベスト(石綿)を含む綿ぼこりなどが相次いで見つかり、一時操業を停止していたことが7日、分かった。工場内の大気検査で問題は確認されていないといい、同支社は清掃作業などを行い、操業を再開した。建材の取り換えなど抜本的対策はこれからとしている。現時点で、健康被害の報告はないという。
同支社によると、10月23日にブレーキ製品を製造する「ディスク工場」内で、直径2センチほどの綿ぼこりが落ちているのをグループ会社の社員が見つけた。その後の分析調査で、アスベストの一種「クリソタイル」が含まれていることが判明。11月8日に工場を立ち入り禁止にした。
同工場は1953(昭和28)年建設。アスベストを含んだ屋根外壁のスレート板の一部が劣化して剥がれ、工場内に吹き込んだとみられるという。スレート板は98年の設置。工場内の大気を調べたところ、アスベストの浮遊濃度は下限値に当たる1リットル当たり0・5本未満で、通常の屋外と同程度だった。防水塗装や清掃作業をして11月21日から順次、操業を再開した。
11月29日にも、ブレーキ部品を製造する「南作業棟」でアスベストとみられる堆積物が見つかり、翌30日に操業を停止した。成分分析結果はまだ出ていないが、同様に屋根のスレート板の劣化が原因とみられるという。建物は60(昭和35)年建設。その後の大気検査で問題は確認されず、清掃をした上で今月5日に操業を再開した。
総合車両センターは在来線車両の整備や検査、部品製造などを担う施設。現在、関連会社を含め約400人が働いている。健康被害の報告は現時点でないが、同支社広報室は「申し出があれば対応する」としている。
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